景況感は厳しさを増す!先行きも不透明感が漂う!
−2014年10月〜12月期 中小企業景況調査報告書概要−

 

 日銀が12月15日に発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(D・I)は、大企業・製造業で前回9月調査(プラス13)より1ポイント悪化しプラス12となった。D・Iの悪化は2四半期(半年)ぶりである。急ピッチの円安による原材料コストの増加に加え、消費増税前の駆け込み需要の反動減が一部業種で続き、企業の景況感は停滞している。大企業・非製造業のD・Iはプラス16と前回(プラス13)から3ポイント改善した。消費税引き上げ後の駆け込み需要の反動減が収束に向かっているうえ、訪日外国人の増加などを背景に宿泊・飲食サービスなどが持ち直した。
 中小企業・製造業では、前回9月調査(マイナス1)より2ポイント改善しプラス1となり、前回のマイナス圏からすぐにプラス圏に戻した。非製造業は9月調査から1ポイント悪化してマイナス1となり、5四半期ぶりにマイナス圏に降下してしまった。
 3か月後の先行きの見通し(本年3月予測)は、大企業・製造業がプラス9と今期より3ポイント悪化、大企業・非製造業はプラス15と1ポイントの悪化と予測。中小企業においては、製造業が今期より6ポイント悪化しマイナス5、非製造業も3ポイント悪化しマイナス4となっており、先行きの厳しさを表している。
 内閣府が1月23日に発表した1月の月例経済報告においては、国内景気の基調判断を「個人消費などに弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている」とし、3か月連続で据え置いた。
 生産に関しては昨年12月に「下げ止まっている」として判断を9か月ぶりに引き上げており、上方修正は2か月連続。一方、個人消費の判断は据え置いた。先行きに関する基調判断では、雇用・所得環境の改善が続くなかで緩やかに回復していくとするこれまでの判断を維持した。
 商工会地域の景況調査においては、今期(2014年10月〜12月)の業況に関するD・I値は、マイナス幅が小さい順に、建設業がマイナス20.0、サービス業がマイナス37.7、製造業がマイナス37.9、小売業がマイナス50.0となっている。建設業が前期と同じポイントであるが、他の業種は前期より悪化させている。中でも、小売業は前期(マイナス44.7)より5.3ポイント悪化させマイナス50.0と深刻な状況となっている。
 来期(2015年1月〜3月期)の業況予測については、製造業が5.9ポイント、小売業が5.0ポイントの改善を予測しているが、サービス業は0.8ポイントの悪化、建設業に至っては20.0ポイントと大幅に悪化しマイナス40.0と予測している。
 今期の商工会地域の景況感は、厳しいものとなっている。先行きについても、厳しさは変わらず余談の許さない状況になっている。政府の経済対策等が功を奏して少しでも明るさが感じられるようになることを期待する。

(中小企業診断士 橋本大輔)

業界天気動向図

項目 売  上 採算(経常利益) 資金繰り
   年

      月

業 種
H26
1

3

4

6

7

9

10

12
H26
1

3

4

6

7

9

10

12
H26
1

3

4

6

7

9

10

12
製造業
建設業
小売業
サービス業


各項目については次により表示した。
区 分 増 加 やや増加 横ばい やや減少 減 少 大幅に減少
好 転 やや好転 やや悪化 悪 化 非常に悪化
DI値(前年同期比) 20.1〜 5.1〜20.0 5.0〜△5.0 △5.1〜△20.0 △20.1〜△35.0 △35.1〜
表 示
快晴

晴れ

曇り

小雨


豪雨


今期直面している経営上の問題点

製造業 1位 2位 3位 4位
1位にあげる
問題点
需要の停滞 製品(加工)単価の
低下、上昇難
製品ニーズの変化 大企業の進出による競争の激化、
生産設備の不足・老朽化
  30.8 40.7 23.1 14.8 7.7 11.1 -- 7.4
建設業 1位 2位 3位 4位
1位にあげる
問題点
官公需要の停滞、材料価格の上昇 請負単価の
低下、上昇難
事業資金の借入難 新規参入業者の増加、
取引条件の悪化等
  -- 22.2 11.8 16.7 5.9 11.1 -- 5.6
小売業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる
問題点
需要の停滞 購買力の
他地域への流出
大型店・中型店の
進出による競争の激化
消費者ニーズの変化 同業者の進出、
販売単価の低下、上昇難
  19.5 21.4 19.5 19.0 9.8 16.7 7.3 11.9 -- 5.1
サービス業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる
問題点
需要の停滞 材料等
仕入単価の上昇
利用者ニーズの変化 従業員の確保難 大企業の進出による
競争の激化
  21.2 21.2 25.0 19.2 13.5 13.5 7.7 9.6 1.9 7.7
(数値の左は前期構成比、右は当期割合を%で記す)