駆け込み需要の反動が影響!? 商工会地域の景況感は全業種が悪化!
−2014年4月〜6月期 中小企業景況調査報告書概要−

 

 日銀が7月1日に発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(D・I)は、大企業・製造業で前回3月調査(プラス17)より5ポイント低いプラス12となった。D・Iの悪化は6四半期(1年半)ぶりのことである。消費増税前の駆け込み需要の反動が影響し、企業景況感の悪化につながった。大企業・非製造業のD・Iはプラス19と前回(プラス24)から5ポイント悪化した。こちらも6四半期ぶりの悪化となった。堅調に推移していた個人消費の勢いが消費増税後に一服したことや駆け込み需要の反動で小売業などが悪化した。
 一方、中小企業も、駆け込み需要の反動減による影響が幅広く見られ、6月のD・Iは、製造業がプラス1と3月調査に比べて3ポイント悪化し、非製造業も3月調査から6ポイント悪化してプラス2となっている。
 3か月後の先行きの見通し(本年9月予測)は、大企業・製造業がプラス15と、3ポイント改善し景気回復に向けた軌道に復帰する見通し。非製造業はプラス19と横ばいであるが、増税後の反動減の影響が和らぎ、景況感は下げ止まりそうである。中小企業においては、製造業が2ポイント改善しプラス3となる見通しだが、非製造業は2ポイント悪化し±0となっている。
 内閣府が7月17日に発表した7月の月例経済報告においては、国内景気の基調判断を上方修正した。「景気は、緩やかな回復基調が続いている」との部分は維持し、「消費税税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動」については、6月の「反動により、このところ弱い動きも見られる」を削除し、「和らぎつつある」と上方修正している。個別項目では、個人消費を上方修正、企業の業況判断も上方修正した一方で、設備投資を下方修正している。先行きについては、「一部に」弱さが残るとしたものの「次第に影響が薄れ、各種政策効果が発現するなかで、緩やかに回復していくことが期待される」としている。
 商工会地域の景況調査においては、今期(2014年4月〜6月)の業況に関するD・I値は、マイナス幅が小さい順に、建設業マイナス15.0、製造業がマイナス27.6、サービス業がマイナス35.2、小売業がマイナス37.5となり、全業種とも消費増税の駆け込み需要の反動減などがあり前期と比べ悪化している。中でも、製造業は、前回の±0.0から27.6と大きく悪化させ、前々期の水準に逆戻りし、逆V字状態となっている。小売業も、前期に比べて11.2ポイント、建設業も10.5ポイントと二桁以上の大幅悪化となっている。
 来期(2014年7月〜9月期)の業況予測については、建設業が4.1ポイント、小売業が2.0ポイント、サービス業が1.4ポイント、製造業が0.4ポイントと全業種とも今期より少し悪化すると予測している。
 今期の商工会地域の景況感は、日銀短観と同じように消費増税前の駆け込み需要の反動減等により悪化しているが、その悪化の度合いは厳しいものとなっている。また、先行きについては、日銀短観や月例経済報告のように回復が予想できるものではなく、厳しい状況が待ち構えていると思われる。


業界天気動向図

項目 売  上 採算(経常利益) 資金繰り
   年

      月

業 種
H25
7

9

10

12
H26
1

3

4

6
H25
7

9

10

12
H26
1

3

4

6
H25
7

9

10

12
H26
1

3

4

6
製造業
建設業
小売業
サービス業


各項目については次により表示した。
区 分 増 加 やや増加 横ばい やや減少 減 少 大幅に減少
好 転 やや好転 やや悪化 悪 化 非常に悪化
DI値(前年同期比) 20.1〜 5.1〜20.0 5.0〜△5.0 △5.1〜△20.0 △20.1〜△35.0 △35.1〜
表 示
快晴

晴れ

曇り

小雨


豪雨


今期直面している経営上の問題点

製造業 1位 3位 5位
1位にあげる
問題点
製品ニーズの変化、
需要の停滞
生産設備の不足・老朽化、
製品(加工)単価の低下、上昇難
原材料価格の上昇、
その他
  -- 20.8 -- 12.5 -- 8.3
建設業 1位 4位
1位にあげる
問題点
材料価格の上昇、下請単価の上昇、
熟練技術者の確保難
請負単価の低下、上昇難、
民間需要の停滞
  -- 16.7 -- 11.1
小売業 1位 2位 3位 4位
1位にあげる問題点 購買力の
他地域への流出
需要の停滞 消費者ニーズの変化 販売単価の低下、
上昇難、仕入れ単価の上昇
  28.9 20.5 15.8 15.4 2.6 12.8 -- 10.3
サービス業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 需要の停滞 人件費以外の
経費の増加
材料等
仕入単価の上昇
利用料金の低下、
上昇難
新規参入業者の増加、
利用者ニーズの変化
  18.0 24.1 6.0 16.7 8.0 11.1 14.0 9.3 -- 7.4
(数値の左は前期構成比、右は当期割合を%で記す)