今期は全業種が改善! しかし、先行きについては厳しさが漂う!
−2014年1月〜3月期 中小企業景況調査報告書概要−

 

 日銀が4月1日に発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(D・I)は、大企業・製造業が前回12月調査より1ポイント高いプラス17となり、5期連続の改善で2007年12月以来約6年ぶりの高水準である。大企業・非製造業のD・Iはプラス24と前回から4ポイント改善し、こちらも5期連続で改善しており、1991年12月以来約22年ぶりの高水準である。消費増税前の駆け込みに伴う販売・生産増や円安基調の継続による収益改善が反映された格好である。
 一方、中小企業の3月のD・Iは、製造業がプラス4と12月調査に比べて3ポイント改善し、2007年12月以来、約6年ぶりのプラスとなっている。非製造業も12月調査から4ポイント改善してプラス8となり、こちらも、1991年12月以来、約22年ぶりの高水準となっている。
 3か月後の先行きの見通し(本年6月予測)は、大企業・製造業がプラス8と、今期より9ポイントの悪化、非製造業はプラス13と、11ポイントの悪化を予想している。中小企業においても、製造業が10ポイント悪化しマイナス6、非製造業は12ポイント悪化しマイナス4となっており、大企業も中小企業も全てが悪化すると予測し、消費増税後の景気冷え込みに警戒感が広がっていることが裏付けられた。
 内閣府が3月17日に発表した3月の月例経済報告においては、国内景気の基調判断を「緩やかに回復している」と2か月連続で据え置いたが、「消費税率引上に伴う駆け込み需要が強まっている」と付け加え、4月の消費増税後の需要の反動減への警戒感をにじませた。先行きについては、海外景気の下振れによる輸出の減少や消費増税後の消費の冷え込みなどの不安要素も漂っている。
 商工会地域の景況調査においては、今期(2014年1月〜3月)の業況に関するD・I値は、製造業が±0.0、建設業マイナス4.5、小売業がマイナス26.3、サービス業がマイナス27.3となり、全業種とも前期と比べ改善している。中でも、製造業は、前回のマイナス26.7から±0.0と大きく改善させた。小売業も駆け込み需要の影響等もあり、前期に比べて10.6ポイント改善している。
 来期(2014年4月〜6月期)の業況予測については、今期とは対照的に全業種が悪化すると予測している。特に、小売業は駆け込み需要の反動減があり、今期の改善幅を超える12.1ポイントも悪化しマイナス38.4と予測している。
 今期の商工会地域の景況感は、日銀短観や月例経済報告のように景気回復が実感できるようなものではないが、全業種が回復傾向を示している。しかし、来期以降の先行きについては厳しい状況が待ち構えていると思われる。


業界天気動向図

項目 売  上 採算(経常利益) 資金繰り
   年

      月

業 種
H25
4

6

7

9

10

12
H26
1

3
H25
4

6

7

9

10

12
H26
1

3
H25
4

6

7

9

10

12
H26
1

3
製造業
建設業
小売業
サービス業


各項目については次により表示した。
区 分 増 加 やや増加 横ばい やや減少 減 少 大幅に減少
好 転 やや好転 やや悪化 悪 化 非常に悪化
DI値(前年同期比) 20.1〜 5.1〜20.0 5.0〜△5.0 △5.1〜△20.0 △20.1〜△35.0 △35.1〜
表 示
快晴

晴れ

曇り

小雨


豪雨


今期直面している経営上の問題点

製造業 1位 2位 4位 5位
1位にあげる
問題点
需要の停滞 製品ニーズの変化、生産設備の不足・老朽化 製品(加工)単価の低下、上昇難 原材料価格の上昇
  17.2 27.6 -- 13.8 10.3 10.3 6.9 6.9
建設業 1位 2位 3位 4位
1位にあげる
問題点
材料価格の上昇 熟練技術者の確保難 材料費・人件費以外の経費の増加 取引条件の悪化、事業資金の借入難
  18.2 22.7 4.5 18.2 0.0 13.6 4.5 9.1
小売業 1位 2位 3位 4位
1位にあげる問題点 購買力の他地域への流出 需要の停滞 大型店、中型店の進出による競争の激化 同業者の進出、店舗施設の狭隘・老朽化、人件費以外の経費の増加、販売単価の低下、上昇難、従業員の確保難
  22.2 28.9 22.2 15.8 19.4 13.2 -- 5.3
サービス業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 需要の停滞 利用者ニーズの変化 利用料金の低下、上昇難 店舗施設の狭隘・老朽化 新規参入業者の増加、材料等仕入単価の上昇
  22.6 18.0 20.8 16.0 11.3 14.0 7.5 10.0 -- 8.0
(数値の左は前期構成比、右は当期割合を%で記す)