商工会地域の景況感に回復の兆しが見え始める。今後の景気動向に期待!
−2013年4月〜6月期  中小企業景況調査報告書概要−

 

 日銀が7月1日に発表した4月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(D・I)は、大企業の製造業でプラス4となっ た。前回調査に比べて12ポイント改善した。2期連続の改善で、D・Iがプラスに転ずるのは2011年3月調査以来のことである。円安や株高の基調が定着 し輸出関連業種を中心に景況感が改善したほか、アメリカの景気回復の足取りが力強さを増したことが下支え材料になった。内需関連業種の景況感は底堅さを増 している。大企業非製造業のD・Iはプラス12と前回から6ポイント改善している。
 一方、中小企業の6月のD・Iは、製造業では前回調査から5ポイント改善のマイナス14、非製造業が4ポイント改善のマイナス4となっている。大企業と比べると景況感に開きがあるものの、製造業にも回復の兆しが見えてきた。
3か月後の先行きの見通し(本年9月予測)は、大企業の製造業が6ポイント改善しプラス10、非製造業は現状維持のプラス12と予想している。一方、中小 企業においては、製造業が7ポイント改善しマイナス7、非製造業は今期と同じマイナス4と予測しており、非製造業に比べて製造業の改善が見込まれている。
 内閣府が7月23日に発表した7月の月例経済報告においては、国内景気の基調判断を「着実に持ち直しており、自律的回復に向けた動きもみられる」とし、 前月の「着実に持ち直している」から表現を引き上げた。上方修正は3カ月連続で、2012年9月以来10カ月ぶりに「回復」の言葉が盛り込まれた。個別項 目の鉱工業生産や企業収益の改善を背景に、設備投資にも一部に持ち直しの動きが出てきたことを踏まえて判断した。先行きについては、「次第に景気回復へ向 かうことが期待される」との表現を継続するとともにリスク要因も「海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなっている」と前月まで の表現をそのまま踏襲している。
 商工会地域の景況調査においては、業況に関するD・I値は、建設業が前期に比べて4.6ポイントと小幅ながら悪化しマイナス13.7となった。製造業に ついては9.3ポイント改善させマイナス24.1、小売業は5.3ポイント改善させマイナス30.8、サービス業は11.1ポイントと大幅に改善しマイナ ス31.4となっており、前期に比べて業種間の格差は縮まった。
 来期(2013年7月〜9月期)の業況予測については、全業種において今期より改善すると予測している。建設業が8.7ポイント改善しマイナス5.0、 製造業は2.3ポイント改善しマイナス21.8、サービスは7.9ポイント改善しマイナス23.5、小売業も2.6ポイント改善しマイナス28.2と、全 業種ともマイナス30を切ると予測している。
 商工会地域の景況感は、日銀短観や月例経済報告等と比べ開きはあるものの、商工会地域でも景気回復の兆しが見え始めているようである。景気回復の兆しが本格化し、商工会地域の業況改善が実感できるようになることを期待する。





業界天気動向図

項目 売  上 採算(経常利益) 資金繰り
   年

      月

業 種
H24
7

9

10

12
H25
1

3

4

6
H24
7

9

10

12
H25
1

3

4

6
H24
7

9

10

12
H25
1

3

4

6
製造業
建設業
小売業
サービス業


各項目については次により表示した。
区 分 増 加 やや増加 横ばい やや減少 減 少 大幅に減少
好 転 やや好転 やや悪化 悪 化 非常に悪化
DI値(前年同期比) 20.1〜 5.1〜20.0 5.0〜△5.0 △5.1〜△20.0 △20.1〜△35.0 △35.1〜
表 示
快晴

晴れ

曇り

小雨


豪雨



今期直面している経営上の問題点


製造業
1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 需要の停滞
製品(加工)単価の低下、
上昇難
製品ニーズの変化
生産設備の不足・老朽化
その他
  28.6
25.9
10.7
22.2
14.3
14.8
0.0
11.1
10.7
7.1
建設業 1位 2位、3位 4位、5位
1位にあげる問題点 官公需要の停滞
 請負単価の低下、上昇難、民間需要の停滞
 材料価格の上昇、人件費の増加
  19.0
23.8
0
19.0
-
9.5
小売業 1位 2位 3位、4位 5位
1位にあげる問題点 需要の停滞
 購買力の他地域への流出
 大型店、中型店の進出による競争の激化、
販売単価の低下、上昇難
 同業者の進出、
仕入単価の上昇
  15.0
26.3
17.5
21.1
-
10.5
-
7.9
サービス業 1位 2位 3位、4位 5位
1位にあげる問題点 需要の停滞 利用者ニーズの変化 新規参入業者の増加、材料等仕入れ単価の上昇
 店舗施設の狭隘・
老朽化

25.0
23.5
20.8
17.6
-
13.7
2.1
7.8

(数値の左は前期構成比、右は当期割合を%で記す)