実績は厳しい現状を反映するも、今後の景況感回復に期待!
−2012年10月〜12月期  中小企業景況調査報告書概要−

 

 日銀が昨年12月14日に発表した2012年12月の企業短期経済観測調査によると、企業の景況感を示す業況判断指数(D・I)は、大企業の製造業がマイナス12と、前回調査と比べて9ポイントと大幅に悪化している。悪化は2期連続で、2010年3月以来の低水準となっている。大企業非製造業のD・Iはプラス4と引き続きプラス圏を維持したものの、6四半期ぶりに悪化している。一方、中小企業は、製造業では4ポイント悪化のマイナス18、非製造業では2ポイント悪化のマイナス11となり、大企業と比べるとその差は歴然としている。
3か月後の先行きの見通しは、大企業の製造業が2ポイント改善しマイナス10と予想。最近の円高基調や海外経済の前向きな動きに対する期待感も伺える。非製造業は、プラス3と1ポイント悪化すると予想している。一方、中小企業においては、製造業が8ポイントと大幅に悪化しマイナス26、非製造業も同じく8ポイント悪化しマイナス19と予測しており、来期予想においても大企業との間に大きな隔たりができている。
 内閣府が本年1月23日に発表した1月の月例経済報告においては、国内景気の基調判断を「弱い動きとなっているが、一部に下げ止まりの兆しもみられる」として、8カ月ぶりに上方修正した。
背景としては、自動車の生産が持ち直し、国内外の販売にも回復基調があることと、安倍政権発足以降の株高・円安傾向により企業マインドが改善されたことがある。個別項目では、個人消費、生産、業況判断等が上方修正されている。
 商工会地域の景況調査においては、業況に関するD・I値は、製造業が前期に比べて9.9ポイント悪化しマイナス29.9、建設業は21.7ポイントと大幅に悪化しマイナス26.1、サービス業も17.9ポイントと大幅に悪化しマイナス48.1となっている。小売業だけは前期に比べて9.4ポイント改善しマイナス30.0となっている。
来期の業況予測については、今期に比べて製造業が6.8ポイント改善しマイナス23.1、小売業が5.0ポイント改善しマイナス25.0、サービス業は17.4ポイントと大幅に改善しマイナス30.7と予測している。建設業のみ、前期と比べては4.3ポイント悪化しマイナス30.4と予測している。
調査時点の差異により、各種調査等の景況感にばらつきが見受けられるが、来期以降、景気の回復基調が着実に進展していくことを期待する。



業界天気動向図

項目 売  上 採算(経常利益) 資金繰り
   年

      月

業 種

1

3

4

6

7

9

10

12

1

3

4

6

7

9

10

12

1

3

4

6

7

9

10

12
製造業
建設業
小売業
サービス業


各項目については次により表示した。
区 分 増 加 やや増加 横ばい やや減少 減 少 大幅に減少
好 転 やや好転 やや悪化 悪 化 非常に悪化
DI値(前年同期比) 20.1〜 5.1〜20.0 5.0〜△5.0 △5.1〜△20.0 △20.1〜△35.0 △35.1〜
表 示
快晴

晴れ

曇り

小雨


豪雨



今期直面している経営上の問題点


製造業
1位 2位、3位 4位、5位
1位にあげる問題点 需要の停滞
熟練技術者の確保難、
製品(加工)単価の低下、上昇難
新規参入業者の増加、原材料価格の上昇、
生産設備の老朽化、取引条件の悪化他
  44.0 48.1
- 11.1
-
3.7
建設業 1位 2位 3位 4位、5位
1位にあげる問題点 請負単価の低下、上昇難
官公需要の停滞
材料価格の上昇
新規参入業者の増加、人件費の増加、
民間需要の停滞
  14.3
45.0
19.0
30.0
14.3
10.0
-
5.0
小売業 1位 2位 3位、4位 5位
1位にあげる問題点 大型店、中型店の進出による競争の激化
需要の停滞
購買力の他地域への流出、
消費者ニーズの変化
同業者の進出、販売単価の低下、上昇難
  27.0
22.9
13.5
17.1
-
11.4
-
8.6
サービス業 1位 2位 3位、4位 5位
1位にあげる問題点 需要の停滞 利用者ニーズの変化 新規参入業者の増加、利用料金の低下、上昇難
大企業の進出による競争の激化等

20.8
36.0
13.2
20.0
-
8.0
-
6.0

(数値の左は前期構成比、右は当期割合を%で記す)