建設業は改善するも、全体的には景況感に悪化の兆し!
−2012年7月〜9月期  中小企業景況調査報告書概要−

 

 日銀が10月1日に発表した2012年9月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(D・I)は、
大企業の製造業がマイナス3と、前回の6月調査に比べて2ポイント悪化している。
長引く欧州債務問題を背景に景気の減速が中国など新興国にも波及し、外需関連を中心に企業心理が冷え込んだ。
大企業非製造業のD・Iはプラス8で6月調査と同じであり、これまで堅調な動きが続いていた内需関連に一服感が出ている。
一方、中小企業の9月のD・Iは、製造業ではマイナス14、非製造業ではマイナス9となっている。
大企業の数値と比較すると開きがあり、依然として厳しい状況が続く。
3か月後の先行きの見通しは、大企業の製造業がマイナス3、大企業の非製造業はプラス5、中小企業の製造業がマイナス16、非製造業もマイナス16と予測。中小企業の景況感は依然として厳しいものになっている。
 内閣府が9月14日に発表した9月の月例経済報告においては、国内景気の基調判断を先月の「緩やかに回復しつつある」から「回復の動きに足踏みがみられ る」とし、2カ月連続で下方修正した。2カ月連続の引き下げは、リーマン・ショック後の平成20年10月〜21年2月に5ヶ月連続で下方修正して以来となる。欧州債務危機の影響で減速している欧州や中国向けの輸出が減速していることを反映している。
 商工会地域の景況調査においては、業況に関するD・I値は、製造業がマイナス20.0、建設業はマイナス4.4、小売業はマイナス39.4、サービス業がマイナス30.2となっている。
前期と比較すると、製造業は20.0ポイントと大幅に悪化、一方、建設業は26.0ポイントと大幅に改善させている。
来期(2012年10月〜12月期)の業況予測については、今期に比べて小売業が19.4ポイントと大幅に上昇すると予測している。
建設業は4.4ポイントと小幅ながら上昇、製造業はほぼ横ばい、サービス業は6.3ポイント低下すると見込んでいる。
全体的には、前期に比べ減速感があり、来期もその流れが続き、景況感は厳しさを増しそうな状況である。




業界天気動向図

項目 売  上 採算(経常利益) 資金繰り
   年

      月

業 種
H23
10

12
H24
1

3

4

6

7

9
H23
10

12
H24
1

3

4

6

7

9
H23
10

12
H24
1

3

4

6

7

9
製造業
建設業
小売業
サービス業


各項目については次により表示した。
区 分 増 加 やや増加 横ばい やや減少 減 少 大幅に減少
好 転 やや好転 やや悪化 悪 化 非常に悪化
DI値(前年同期比) 20.1〜 5.1〜20.0 5.0〜△5.0 △5.1〜△20.0 △20.1〜△35.0 △35.1〜
表 示
快晴

晴れ

曇り

小雨


豪雨



今期直面している経営上の問題点


製造業
1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 需要の停滞 熟練技術者の確保難
製品(加工)単価の低下、
上昇難
原材料の不足
新規参入業者の増加、
原材料価格の上昇他
  37.0 44.0
11.1
16.0
11.1
12.0
3.7
8.0-
4.0
建設業 1位 2位、3位、4位 5位
1位にあげる問題点 官公需要の停滞 材料価格の上昇請負単価の低下、上昇難、民間需要の停滞
材料費、人件費以外
の経費の増加他

  4.8
19.0
-
14.3
-
9.5
小売業 1位 2位、3位 4位 5位
1位にあげる問題点 大型店、中型店の進出
による競争の激化

需要の停滞、購買力の他地域への流出
販売単価の低下、上昇難
同業者の進出、消費者ニーズの変化他
  15.4
27.0
-
13.5
12.8
10.8
-
5.4
サービス業 1位 2位、3位 4位、5位
1位にあげる問題点 需要の停滞 利用者ニーズの変化材料等仕入単価の上昇 新規参入業者の増加、店舗施設の狭隘老朽化

26.4
20.8
-
13.2
-
9.4

(数値の左は前期構成比、右は当期割合を%で記す)