製造業が大幅に悪化! 来期は全産業とも回復を予測!
−2012年1月〜3月期  中小企業景況調査報告書概要−

 

 日銀が4月2日に発表した2012年3月の企業短期経済観測調査(短観)によると、業況判断指数(DI)は、
大企業の製造業がマイナス4と、前回調査と横ばいで2期連続マイナス。
一方、大企業非製造業のDIはプラス5で3期連続して改善している。円高水準が修正されるなど好材料はあるが、
原油価格の高止まりや電気料金値上げ、中国経済の減速などのリスク要因も山積しており、予断を許さない状況だ。
一方、中小企業の3月のDIは、製造業ではマイナス10と12月調査から2ポイント下落、非製造業では、マイナス11と3ポイント上昇している。
3か月後の先行きの見通しは、大企業の製造業が今期に比べ1ポイント上昇のマイナス3と予測、大企業の非製造業は、
プラス5と横ばいを予測している。一方、中小企業においては、製造業が5ポイント下落しマイナス15、
非製造業も5ポイント下落しマイナス16と悪化すると予測しており、中小企業の景況感は依然として厳しいものになっている。
 内閣府が3月21日に発表した3月の月例経済報告においては、国内景気の基調判断を「緩やかに持ち直している」として、
5か月連続で据え置いている。リスク要因としては、欧州の債務問題に伴う「金融システムに対する懸念」を除外したものの、
新たに「原油価格の上昇」を追加。原油価格が日本経済の重荷となることに懸念を示している。
 商工会地域の景況調査においては、業況に関するD・I値は、製造業がマイナス32.3、建設業はマイナス35.7、小売業はマイナス37.5、
サービス業がマイナス29.7と前期に比べて悪化している。特に、製造業は、前期比18.9ポイントも大幅に下落させている。
 来期(2012年4月〜6月期)の業況予測については、今期に比べて製造業が17.5ポイント、建設業が13.5ポイント、小売業が12.5ポイント、
サービス業が11.5ポイントといずれも二桁以上の上昇を予測しており、明るい兆しを感じる。
しかし、原油など原材料価格の高騰などの不安定要素が存在するので、楽観視できる状況ではないと思われる。



業界天気動向図

項目 売  上 採算(経常利益) 資金繰り
   年

      月

業 種

4

6

7

9

10

12
H24
1

3

4

6

7

9

10

12
H24
1

3

4

6

7

9

10

12
H24
1

3
製造業
建設業
小売業
サービス業


各項目については次により表示した。
区 分 増 加 やや増加 横ばい やや減少 減 少 大幅に減少
好 転 やや好転 やや悪化 悪 化 非常に悪化
DI値(前年同期比) 20.1〜 5.1〜20.0 5.0〜△5.0 △5.1〜△20.0 △20.1〜△35.0 △35.1〜
表 示
快晴

晴れ

曇り

小雨


豪雨



今期直面している経営上の問題点

製造業
1位 2位 3位 、4位、 5位
1位にあげる問題点 需要の停滞 製品ニーズの変化 大企業の進出による競争の激化、製品(加工)単価の低下、上昇難
取引条件の悪化、熟練技術者の確保難
  39.3
40.0
17.9
10.0
-
6.7
建設業 1位 2位、3位、4位 5位
1位にあげる問題点 民間需要の停滞 材料価格の上昇、事業資金の借入難
取引条件の悪化、官公需要の停滞
  32.0
44.4
-
11.1 -
7.4
小売業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 購買力の他地域への流出
大型店、中型店の進出による競争の激化
需要の停滞
販売単価の低下、
上昇難
消費者ニーズの変化
  22.5
25.6
-
15.4
7.5
12.8
7.5
10.3
サービス業 1位 2位 3位、4位 5位
1位にあげる問題点 需要の停滞 利用者ニーズの変化 新規参入業者の増加、材料等仕入単価の上昇 大企業の進出による競争の激化

27.7
30.4
14.9
15.2
-
13.0
10.9
8.5

(数値の左は前期構成比、右は当期割合を%で記す)

(数値の左は前期構成比、右は当期割合を%で記す)


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 平成24年度中小企業支援ネットワーク強化事業