小売業の業況が悪化! 先行きに少しは改善の兆し
−2010年10月〜12月期 中小企業景況調査報告書概要−

 

 日銀が発表した2010年12月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業・製造業で前回調査より3ポイント下落、大企業・非製造業も1ポイント下げているが、どちらも、1年9か月ぶりの下落である。一方、中小企業は製造業がマイナス12と2ポイント改善したものの、非製造業がマイナス22と1ポイント下落させ1年半ぶりに悪化させている。3か月先の予測は、円高の先行き不透明感や景気刺激策の打ち切りを受けて、大企業、中小企業とも悪化すると見込んでいる。
 内閣府が発表した1月の月例経済報告での景気の基調判断は、「景気は、足踏み状態にあるが、一部に持ち直しに向けた動きがみられる。」としており、景気については10年12月の「このところ足踏み状態にある」から上方修正した。
 商工会地域の景況調査においては、業況に関するD・I値は、前期比で製造業が9.8ポイント、建設業が3.4ポイント改善。一方、サービス業は4.2ポイント悪化させ、小売業にいたっては26.4ポイントと大幅に悪化させている。前期の全産業そろっての改善と比べると非常に厳しい現実となっている。
 来期(2011年1月〜3月期)予測については、今期に比べてサービス業が8.5ポイント、製造業が5.3ポイント、小売業が3.9ポイント、建設業が0.5ポイントと全産業がマイナス幅を縮小させると予測している。



業界天気動向図

項目 売  上 採算(経常利益) 資金繰り
   年

      月

業 種
H22
1

3

4

6

7

9

10

12
H22
1

3

4

6

7

9

10

12
H22
1

3

4

6

7

9

10

12
製造業
建設業
小売業
サービス業


各項目については次により表示した。
区 分 増 加 やや増加 横ばい やや減少 減 少 大幅に減少
好 転 やや好転 やや悪化 悪 化 非常に悪化
DI値(前年同期比) 20.1〜 5.1〜20.0 5.0〜△5.0 △5.1〜△20.0 △20.1〜△35.0 △35.1〜
表 示
快晴

晴れ

曇り

小雨


豪雨



今期直面している経営上の問題点

製造業 1位 2位 3位
1位にあげる問題点 需要の停滞 製品加工単価の
低下、上昇難
大企業の進出による競争の激化、生産設備の不足・老朽化、製品ニーズの
変化、原材料価格の上昇、原材料の不足、事業資金の借入難等
  46.4 50.0 14.3 17.9 - 3.6
建設業 1位 2位 3位 4位
1位にあげる問題点 請負単価の低下・
上昇難
民間需要の停滞 官公需要の停滞 大企業の進出による競争の激化・
取引条件の悪化
  22.2 38.5 25.9 19.2 11.1 15.4 - 7.7
小売業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 大型店、中型店の
進出による
競争の激化
需要の停滞 購買力の他地域への
流出、販売単価低下、
上昇難
  難消費者ニーズの変化
  26.3 34.2 21.1 21.1 - 18.4     13.2 5.3
サービス業 1位 2位 3位
1位にあげる問題点 需要の停滞 利用者ニーズの変化 店舗施設の狭隘・老朽、材料等仕入単価の上昇、
利用料金の低下、上昇難
  23.3 38.6 23.3 22.7 - 6.8

(数値の左は前期構成比、右は当期割合を%で記す)


【年度末の資金繰りに向けて!】
 中小企業庁は、中小企業の資金繰りに支障が生じないよう万全を期すために平成23年1月28日付けで、「今後の中小企業の資金繰り支援策について」として関係機関等に通知を行っている。支援策の内容としては、年度末に向けた資金繰り支援と来年度以降の資金繰り支援の2本立てとなっている。(詳しくは、中小企業庁のホームページを参照)

 厳しい企業経営が強いられる状況が続く中、資金繰りは非常に重要であることは言うまでもない。年度末あるいは来年度に向けて、自社の借入金や返済条件等を見直し、商工会や広域連合、あるいは金融機関に相談するとともに、国や県などの金融支援策も有効に活用して安全・確実な資金繰り計画を策定・実践し、厳しい状況を打破し企業経営の継続・発展を図って頂きたい。