回復傾向に陰り? 依然として先行きは不透明!
−2010年4月〜6月期 中小企業景況調査報告書概要−

 

 日銀が発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業・製造業で前回調査から15ポイント 改善し、2008年6月以来2年ぶりのプラスになった。中小企業は製造業が前回調査から12ポイント改善、非製造業が5ポイント改善されている。
 内閣府が発表した7月の月例経済報告での景気の基調判断は、「景気は、着実に持ち直してきており、自律的回復への基盤が整いつつあるが、失業率 が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。」と6月に上方修正された判断を据え置いている。
 商工会地域の景況調査においては、サービス業がD・I値のマイナス幅を2期連続で縮小させているものの、製造業、建設業、小売業がいままでのマイ ナス幅縮小傾向から拡大に転じ、景況感の悪化を示している。
 来期(2010年7月〜9月期)については、製造業と建設業はマイナス幅の大幅縮小を予測しているが、サービス業が大幅に悪化すると予想しており、先行き不透明な状況が依然として続いている。



業界天気動向図

項目 売  上 採算(経常利益) 資金繰り
   年

      月

業 種
H21
7

9

10

12
H22
1

3

4

6
H21
7

9

10

12
H22
1

3

4

6
H21
7

9

10

12
H22
1

3

4

6
製造業
建設業
小売業
サービス業


各項目については次により表示した。
区 分 増 加 やや増加 横ばい やや減少 減 少 大幅に減少
好 転 やや好転 やや悪化 悪 化 非常に悪化
DI値(前年同期比) 20.1〜 5.1〜20.0 5.0〜△5.0 △5.1〜△20.0 △20.1〜△35.0 △35.1〜
表 示
快晴

晴れ

曇り

小雨


豪雨



今期直面している経営上の問題点

製造業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 需要の停滞 製品加工単価の
低下、上昇難
製品ニーズの変化
生産設備の不足・
老朽化
生産設備の過剰
人件費の増加
- -
  51.7 37.0 20.7 22.2 - 7.4 - - - -
建設業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 請負単価の低下・
上昇難
民間需要の停滞 大企業の進出に採る
競争の激化
取引条件の悪化
- 材料価格の上昇
官公需要の停滞
  37.9 26.9 17.2 23.1 - 11.5 - - - 7.7
小売業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 大型店、中型店の
進出による
競争の激化
購買力の
他地域への流出
需要の停滞
- 難消費者ニーズの変化
販売単価の
低下、上昇難
-
  26.3 28.9 - 15.8 - - 10.5 10.5 - -
サービス業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 需要の停滞 利用者ニーズの
変化
店舗施設の
狭隘・老朽化
材料等仕入
単価の上昇
大企業進出による
競争の激化、
新規参入業者の
増加など
  39.0 40.9 17.1 20.5 7.3 11.4 7.3 9.1 - 4.5

(数値の左は前期構成比、右は当期割合を%で記す)


【 ホウレンソウ(報告・連絡・相談)の徹底で組織の活性化を!】
 「ホウレンソウ」とは、報告・連絡・相談の言葉を略したもので、組織内のコミュニケーションを高めるための仕組みを表しています。人間の場合、新鮮な血液が体中に循環しないと、大病を患うことになりますが、組織においても同じであり、報告・連絡・相談が適宜・的確に行われないと組織が機能せず、様々なトラブルを引き起こすことになります。いまさら「ホウレンソウ」と思わずに、組織のコミュニケーションのあり方を見つめ直し、報告・連絡・相談の徹底を図って組織を活性化させ、自社の持てる力を100%発揮できる体制を構築し、厳しい経営環境を乗り越えていただきたいと思います。

【経営計画を作成し、成りゆき経営からの脱却!】
 物は売れず、取引先から値下げ゙を要請され、また、環境変化のスピードも速く、今後の見通しが゙立たないのが現状です。「そのうち何とかなる」などと考え、成りゆき経営を続けていくと、さらなる苦境に陥り、業績の向上は見込めなくなります。そうならないためにも自社の経営状況を見直して経営計画を作成し、それに基づきPDCAサイクルを回しながら経営の質を高め、なりゆき経営から脱却することが求められます。経営計画の作成については、経理理念の明確化、外部・内部環境の分析などいくつかのプロセスが必要ですが、難しく考えずに商工会等に相談して、積極的に取り組んでいただきたいと思います。