景況感やや持ち直すも回復の動き鈍く
商工会地区はいまだ雨模様
−2009年4月〜6月期 中小企業景況調査報告書概要−

 

 日銀が発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業で3月の前回調査から10ポイント上向いたとはいえ、マイナス48と依然高いマイナス値となっています。6月の月例経済報告でも、景気の基調判断を2カ月連続で上方修正しています。しかし、5月の完全失業率(季節調整値)は5.2%と前月から0.2ポイント悪化し、有効求人倍率(同)も過去最悪を更新するなど雇用情勢は一段と厳しくなっています。
商工会地域の景況調査においても建設業はD・I値のマイナス幅が拡大しましたが、その他の産業はいずれもマイナス幅を縮小しました。しかし、厳しい情勢であることに変わりはなく、来期(2009年7月〜9月)についても、今期同様の傾向が続きそうです。


業界天気動向図

項目 売  上 採算(経常利益) 資金繰り
   年

      月

業 種
H20
7

9

10

12
H21
1

3

4

6
H20
7

9

10

12
H21
1

3

4

6
H20
7

9

10

12
H21
1

3

4

6
製造業
建設業
小売業
サービス業


各項目については次により表示した。
区 分 増 加 やや増加 横ばい やや減少 減 少 大幅に減少
好 転 やや好転 やや悪化 悪 化 非常に悪化
DI値(前年同期比) 20.1〜 5.1〜20.0 5.0〜△5.0 △5.1〜△20.0 △20.1〜△35.0 △35.1〜
表 示
快晴

晴れ

曇り

小雨


豪雨



今期直面している経営上の問題点

製造業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 需要の停滞 製品加工単価の低下
、上昇難
生産設備の不足・
老朽化
大企業の進出による競争の激化
原材料費・人件費以外の経費の増加
-
  45.2 46.4 6.5 14.3 6.5 10.7 - 7.1 - -
建設業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 請負単価の低下・上昇難 民間需要の停滞 官公需要の停滞
大企業の進出による競争の激化
- 取引条件の悪化
  35.7 34.5 14.3 17.2 - 13.8 - - 3.6 6.9
小売業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 大型店、中型店の
進出による
競争の激化
需要の停滞 購買力の他地域
への流出
消費者ニーズの
変化
店舗の狭隘老朽化
その他2項目
  34.2 28.9 21.1 21.1 13.2 18.4 5.3 13.2 - 5.3
サービス業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 利用者ニーズの
変化
- 店舗施設の
狭隘・老朽化
利用料金の低下・
上昇難
人件費以外の
経費の増加
  - 28.9 - - 11.4 15.6 9.1 13.3 2.3 4.4

(数値の左は前期構成比、右は当期割合を%で記す)



[1. 需要の創造に向けて差別化をどう図るか]
 消費が飽和状態にある上に、可処分所得が減少している現在では、需要を創造するのは難しくなっていますが、こういう時代だからこそヒットする商品もあります。要は変化する顧客のニーズにマッチした商品を生み出すことであり、そのためには、情報収集を怠りなくするとともに、その情報を的確に分類・分析し、製品やサービス等に反映させていく能力が必要です。その上で、新商品や新サービスの提供による需要の喚起・創造を図っていくわけです。ということは、情報分析力、企画力、提案力等の能力の向上が求められるということであり、最終的には従業員の資質、能力が他社との優劣を決することになります。

[2. 事業承継について]
 個人事業を経営している場合、実質上の経営者は、申告上の個人事業主の息子や、娘である場合が多く見られます。(つまりは専従者)このような場合、個人事業主の変更、事業用財産の生前贈与等検討する必要があります。しかし、法人企業の場合でも同じことですが、生前贈与をしたり、遺言を作成するなどして、予め対策を講じるのが有効であるとはいっても、後継者の側からは言い出しにくいものです。企業発展と成長のために、経営者の方から、後継者と話し合う場を設け、いわば企業のライフプランを計画的に作成していくことが必要です。