春遠く、景気の雪融けならず
商工会地区の景況感一段と悪化
−2008年10月〜12月期 中小企業景況調査報告書概要−

 

 日銀が発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)によると、前回調査からさらに大幅に悪化し、第一次石油危機直後の1975年2月と並ぶ約34年ぶりの悪化幅となったとあります。大企業製造業は15業種すべてでDI(業況判断指数)が前回調査から悪化し、特に自動車は世界的な売上げ減少などを背景に、その落ち込みは顕著なものがあるとのことですが、中小企業は製造業、非製造業ともに厳しく、商工会地域の景況調査においても、状況は一段と悪化しています。来期(2009年1月〜3月)についても、全産業とも非常に高いマイナス値を予測しており、明るい春の陽光が射してくるのはいつになるかまったくわからないのが実情のようです。
しかし、こうしたときこそ、新しいビジネスの芽生えがあるともいえるわけで、この芽を伸ばしていくためにも、企業、支援機関が一体となって取り組んでいくことの重要性がさらに増してくると思います。


業界天気動向図

項目 売  上 採算(経常利益) 資金繰り
   年

      月

業 種
H20
1

3

4

6

7

9

10

12
H20
1

3

4

6

7

9

10

12
H20
1

3

4

6

7

9

10

12
製造業
建設業
小売業
サービス業


各項目については次により表示した。
区 分 増 加 やや増加 横ばい やや減少 減 少 大幅に減少
好 転 やや好転 やや悪化 悪 化 非常に悪化
DI値(前年同期比) 20.1〜 5.1〜20.0 5.0〜△5.0 △5.1〜△20.0 △20.1〜△35.0 △35.1〜
表 示
快晴

晴れ

曇り

小雨


豪雨



今期直面している経営上の問題点

製造業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 需要の停滞 大企業の進出による
競争の激化
原材料価格の上昇
- 製品ニーズの変化
製品加工単価の
低下、上昇難
-
  20.0 31.0 - 13.8 - - - 10.3 - -
建設業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 材料価格の上昇 請負単価の
低下・上昇難
官公需要の停滞 民間需要の停滞 大企業の進出による
競争の激化
  32.1 24.1 21.4 20.7 17.9 17.2 10.7 13.8 0.0 6.9
小売業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 大型店、中型店の
進出による
競争の激化
需要の停滞 購買力の他地域
への流出
消費者ニーズの
変化
店舗の狭隘老朽化
その他2項目
  19.0 31.7 16.7 22.0 21.4 17.1 11.9 7.3 - 4.9
サービス業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 利用者ニーズの
変化
材料等仕入単価の
上昇
需要の停滞 店舗施設の
狭隘・老朽化
利用料金の低下・
上昇難
  16.3 22.5 34.9 17.5 9.3 15.0 11.6 12.5 0.0 7.5

(数値の左は前期構成比、右は当期割合を%で記す)



[1. 人材の育成について]
 リストラや人件費削減等で当面の難局を乗り切ろうとすることも、ある意味、当然のことともいえますが、このような時代だからこそ、今一度改めて人材の育成について考えてみる必要があると思います。とりわけ経営の刷新、革新を進めていくためには、優秀な人材の確保とともに、従業員の資質向上、能力開発を図ることが大切です。これからの時代はとりわけ顧客満足を最大限に得るための、企画力、提案力、マーケティング等の能力の向上が求められます。企業の将来を考えた場合、経営戦略における人事戦略の位置づけはより比重を増してきます。それが競合企業との差別化を図っていくためのキーポイントになるからです。

[2. 競合企業との差別化をどう図るか]
 新年度を迎え、顧客の維持・拡大+新規顧客の獲得のために何をなすべきか、何をポイントに競合企業との差別化を図っていくかについて、改めて考えてみることが必要かと思います。その為には企業の強いところ、弱いところなど現状を正確に把握し、弱点補強のためには何が必要かを検討し、改善策実行の速度を上げるために、関連する有益な支援策や助成金はないか等情報を検索されるとともに、商工会等に相談をされるということが、まずもって必要なことではないでしょうか。