依然先行きの見通し立たず
商工会地区の景況感悪化続く
−2008年7月〜9月期 中小企業景況調査報告書概要−

 

 日銀が発表した9月の企業短期経済観測調査(短観)によると、景況判断指数(DI)は、5・四半期連続で悪化し、悪化幅は1998年3月調査以来の大きさということです。商工会地域の景況調査においても同様であり、降り続いている豪雨が止まない状況が続いています。9月の日銀生活意識調査でも、景況感「悪化」が過去最高水準に達しているとのことであり、企業はもとより、家計の先行きもまったく見えてこないのが現状です。
 こうした中、業績向上に向けて、中小企業の活性化を図っていくにはITの活用が不可欠となっていますが、中小企業とりわけ小規模企業にあってはまだまだITをツールとして使いこなし、付加価値の高い商品やサービスの創造に結び付けている企業はごく少ないのが現状です。IT化を進める上での課題となっているのは人材確保や投資コスト負担、あるいは自企業に適したIT化をどう図っていけばよいかわからないことなどが考えられますが、課題の解消に向けて、企業、支援機関とも一体となって取り組んでいくことが求められています。


業界天気動向図

項目 売  上 採算(経常利益) 資金繰り
   年

      月

業 種
H19
10

12
H20
1

3

4

6

7

9
H19
10

12
H20
1

3

4

6

7

9
H19
10

12
H20
1

3

4

6

7

9
製造業
建設業
小売業
サービス業


各項目については次により表示した。
区 分 増 加 やや増加 横ばい やや減少 減 少 大幅に減少
好 転 やや好転 やや悪化 悪 化 非常に悪化
DI値(前年同期比) 20.1〜 5.1〜20.0 5.0〜△5.0 △5.1〜△20.0 △20.1〜△35.0 △35.1〜
表 示
快晴

晴れ

曇り

小雨


豪雨



今期直面している経営上の問題点

製造業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 原材料価格の上昇 需要の停滞 原材料費・人件費
以外の経費の増加
大企業の
進出による
競争の激化
生産設備の不足・
老朽化ほか
  24.1 33.3 24.1 20.0 6.9 13.3 10.3 10.0 - 6.7
建設業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 材料価格の上昇 請負単価の
低下・上昇難
官公需要の停滞 民間需要の停滞 取引条件の悪化
  29.6 32.1 14.8 21.4 22.9 17.9 7.4 10.7 7.4 7.1
小売業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 購買力の他地域
への流出
大型店、中型店の
進出による
競争の激化
仕入単価の上昇
需要の停滞
- 消費者ニーズの
変化
  21.1 21.4 23.7 19.0 - 16.7 - - 5.3 11.9
サービス業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 材料等仕入単価の
上昇
利用者ニーズの
変化
店舗施設の
狭隘・老朽化
人件費以外の経費の増加
- 需要の停滞
  26.2 34.9 9.5 16.3 - 11.6 - - 11.9 9.3

(数値の左は前期構成比、右は当期割合を%で記す)



[1. 新連携に取り組もう]
 新連携支援として、異分野の中小企業が連携し、優れた経営資源を有効に組み合わせることで、新しい製品・サービスを創出しようとする取組を認定し、支援する制度があります。地域内に留まらず、地域外の異業種・同業種企業との連携、産学官連携を積極的に推進することが、付加価値の高い商品やサービスの創造に大きな効果を発揮すると思われます。
 商工会では青年部や女性部などで交流を深め、志を同じくする人たちで研究グループを作って、活動していくのもいいのではないでしょうか。

[2. 計画経営の必要性について]
 売上の増加を図るためには目標売上を立て、その実現を図るために、毎年何をしていくべきかなど数値計画を含めた計画経営を実行していくことが不可欠です。創業にあっても、こういう事業を起業したいという夢を語るだけで、収支・資金計画はもとより、開業資金の調達、顧客の確保等の計画も深く検討されていない方が多いのが現実ですが、夢をたしかなものにするためにも事前に事業計画をきちんと立てるなど準備を怠りなくすることが望まれます。