みえ商工会だより

「景況感好転せず、先行きいまだ不透明」
−2007年7月〜9月期 中小企業景況調査報告書概要−

 

 日銀が発表した9月調査の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業でプラス23となり、 2四半期連続の横ばいとなりました。世界経済の拡大や高水準の企業収益が景況感を下支えし、高水準を維持したものの、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン) 問題が懸念材料の一つであり、今後の推移が注目されます。
 商工会地域の景況調査においては、前期(2007年4月〜6月)より、小売業、サービス業はやや持ち直しましたが、製造業、建設業においては一段と厳しい状況が続いています。 来期(2007年10月〜12月)は建設業、小売業で悪化予測の企業がさらに増え、とりわけ小売業の予測マイナス値は今期の倍以上に達しています。
 設備投資についても、前期と同様の状況が続いており、来期についても、全産業を通して、投資計画を持っている企業は10%未満の低い水準となっています。

業界天気動向図

項目 売  上 採算(経常利益) 資金繰り
   年

      月

業 種
H18
10

12
H19
1

3

4

6

7

9
H18
10

12
H19
1

3

4

6

7

9
H18
10

12
H19
1

3

4

6

7

9
製造業
建設業
小売業
サービス業


各項目については次により表示した。
区 分 増 加 やや増加 横ばい やや減少 減 少 大幅に減少
好 転 やや好転 やや悪化 悪 化 非常に悪化
DI値(前年同期比) 20.1〜 5.1〜20.0 5.0〜△5.0 △5.1〜△20.0 △20.1〜△35.0 △35.1〜
表 示
快晴

晴れ

曇り

小雨


豪雨



今期直面している経営上の問題点

製造業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 生産設備の不足・老朽化、原材料価格の上昇 製品(加工)単価の
低下・上昇難
需要の停滞 製品ニ―ズの変化
  - 19.4 - - 10.3 16.1 17.2 12.9 13.8 9.7
建設業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 官公需要の停滞 請負単価の低下・上昇難 材料価格の上昇
民間需要の停滞
大企業の進出による
競争の激化他7項目
  26.9 28.0 26.9 16.0 11.5 12.0 - - - 4.0
小売業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 購買力の他地域への流出 大型店、中型店の進出による競争の激化 需要の停滞 消費者ニーズの変化 販売単価の低下・
上昇難
  24.4 26.3 22.0 21.1 9.8 13.2 17.1 10.5 4.9 7.9
サービス業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 利用者ニーズの変化 新規参入業者の増加 人件費以外の経費の増加、需要の停滞 大企業の進出による競争の激化他2項目
  26.5 33.3 11.8 13.9 17.6 8.3 - - - 5.6

(数値の左は前期構成比、右は当期割合を%で記す)


〔経営力を強化して、競争に強い企業を目指そう〕

[1. 販売管理力の強化]
 効果的な販売促進策の立案にはIT化を進め、顧客データベースを構築し、その分析による戦略的な活用を行っていくことであり、 顧客個人だけでなく、家族単位で管理していくのも有効です。家族構成、ライフスタイル等の情報の分析・考察の結果によって、 お勧めする商品も違ってきますし、商品販売の機会が拡大するからです。

[2. コスト管理能力の強化]
 コスト管理というのは経営管理の基本的なことですが、製造原価報告書、工事原価報告書すら作成されていない企業も結構多く、 まして原価計算を行っている企業はごく少ないのが現実のようです。これでは生産性の向上、収益力の強化は困難です。 第一、自社の製品のコストが把握できなくて、適正な収益を生み出す販売単価は付けられません。

[3. 差別化・高付加価値化の推進]
 新技術開発、新商品・新サービスの開発を図り、高付加価値化を推進し、競合企業との差別化を図っていくことは今後ますます重要性を帯びてきます。 その製・商品・サービスが少子・高齢化に対応していることが時代の要請ともいえましょう。高齢者や幼い子供を抱える消費者のニーズの把握に努め、 本当に望んでいる製・商品・サービスの開発を図っていくことが求められています。