みえ商工会だより

景気回復の薫風(くんぷう)吹かず  商工会地区の景気は依然厳しい状況が続く
−2006年1月〜3月期 中小企業景況調査報告書概要−
嘱託専門指導員 中川すみ子

 

 3月の企業短期経済観測調査(短観)によると、業況判断指数(D・I)は原油高騰の影響などを受けて、 ややブレーキがかかった感がするものの、回復基調を維持し、2006年度の企業収益や設備投資も増加する見通しで、 景気回復は続くと予測されています。 (独)中小企業基盤整備機構が実施している景況調査でも、2006年1〜3月期の全産業のD・Iは、 3期連続してマイナス幅が縮小したとあり、大企業との比較では業況の改善に依然として遅れがみられるものの、 中小企業を中規模と小規模に分けてみると、小規模企業では業況感に改善がみられ、明るい兆しもうかがえるとあります。
 しかしながら、商工会地区の中小企業の今期の業況は依然芳しいものではなく、主要景況項目で見ると、 全項目ともマイナス幅の拡大が目立つ結果となりました。 来期についても厳しい見方をする企業が多く、改善がみられるとはいえない状況が続いています。


主要景況項目

  売上高 採算 資金繰り
  前 期 当 期 前期比 来期予測 前 期 当 期 前期比 来期予測 前 期 当 期 前期比 来期予測
製造業 △23.6 △17.9 +5.7 △23.6 △22.9 △21.1 +1.8 △11.4 △13.2 △7.7 +5.5 △25.7
建設業 △0.0 △4.0 △4.0 △4.0 △24.0 △25.0 △1.0 △20.0 △16.0 △20.0 △4.0 △12.0
小売業 △48.0 △39.6 +8.4 △36.7 △42.0 △50.9 △8.9 △43.6 △34.6 △37.7 △3.1 △38.0
サービス業 △21.2 △36.3 △15.1 △25.0 △15.6 △36.4 △20.8 △29.1 △12.5 △33.3 △20.8 △31.3

 

経営上の問題点

製造業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 原材料価格の上昇 製品ニーズの変化
製品(加工)単価の低下・上昇難
原材料費・人件費以外の経費の増加、従業員の確保難
  20.6 17.1 14.3 5.7
建設業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 民間需要の停滞 官公需要の停滞 請負単価の低下・上昇難 取引条件の悪化 新規参入業者の増加
  20.0 28.0 16.0 24.0 12.0 16.0 8.0 12.0 12.5 8.0
小売業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 大型店・中型店の進出による競争の激化 消費者ニーズの変化 購買力の他地域への流出 販売単価の低下・上昇難 需要の停滞
  30.8 31.4 11.5 17.6 15.4 13.7 9.6 11.8 9.6 9.8
サービス業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 利用者ニーズの変化 需要の停滞 新規参入業者の増加
ほか2項目
  20.7 25.0 24.1 21.9 9.4

(数値の左は前期割合、右は当期割合を%で記す)


1.「新会社法」施行を契機に、経営方針・経営戦略の見直しを図る
 5月1日から、「新会社法」が施行されましたが、会社法の施行は、 会社設立手続きの改正等創業に与える影響が大きいだけでなく、既存の有限会社にとっても、 有限会社のまま存続するか、株式会社に移行するか、判断を求められるなど今後の経営方針・ 経営戦略に与える影響も大きいと思います。
 新分野進出等経営革新を図るのを契機に株式会社に移行し、思い切って新たな商号に変更するとか、 自企業も新しく生まれ変わってみてはどうでしょうか。

2. 高年齢者の継続雇用にかかる措置を講じていますか?
 企業収益の改善や持続的な景気回復を背景に雇用不足感が強まっており、商工会地区の中小企業にあっても、確実に人手不足の時代が来るものと思われます。まだまだ現役として通用する体力や能力を持っている60歳以上の人たちを有効に活用するためにも、改正高年齢者雇用安定法の趣旨に沿った措置を講じることが必要です。未対応の企業は早急に(1)定年の引上げ、(2)継続雇用制度の導入、(3)定年の定めの廃止のいずれかの措置を講じ、就業規則等を改正し、 所轄労働基準監督署に提出するようにしてください。