みえ商工会だより

春の足音いまだ聞こえず  景気は依然一進一退の状況
−2005年10月〜12月期 中小企業景況調査報告書概要−
嘱託専門指導員 中川すみ子

 

 12月の企業短期経済観測調査(短観)によると、業況判断指数(D・I)が3期連続で改善し、街角の景況感を示す景気ウオッチャー調査や家計調査でも高い伸びを示しています。厳しい寒さで防寒関連用品が伸びたほか、高級品の売れ行きがよいなど、景気回復への期待から個人消費が上向いているようです。
 しかしながら、商工会地区の中小企業の今期(2005年10月〜12月)の業況を主要景況項目である売上高、採算、資金繰りで見ると、D・I値のマイナス幅が前期より拡大している業種も多く、とりわけ売上高においては、製造業、小売業の拡大幅が大きいなど、依然厳しい状況が続いています。
 地域中小企業の景況感は一進一退を繰り返しているのが現状であり、回復感を実感するには至っていないと思われます。
 設備投資は今期実行した企業割合は建設業が32.0%、サービス業が27.3%と前期と比較すると大幅に上昇し、製造業も上昇しましたが、小売業は前期並みの低い数値となっています。


主要景況項目

  売上高 採算 資金繰り
  前 期 当 期 前期比 来期予測 前 期 当 期 前期比 来期予測 前 期 当 期 前期比 来期予測
製造業 △10.5 △23.6 △13.1 △29.0 △31.6 △22.9 +8.7 △17.7 △16.2 △13.2 +3.0 △21.1
建設業 △4.0 △0.0 +4.0 △20.9 △20.0 △24.0 △4.0 △32.0 △12.5 △16.0 △3.5 △22.7
小売業 △26.9 △48.0 △21.1 △36.6 △42.4 △42.0 +0.4 △38.8 △25.5 △34.6 △9.1 △36.5
サービス業 △18.2 △21.2 △3.0 △15.1 △24.2 △15.6 +8.6 △16.1 △18.8 △12.5 +6.3 △18.8

 

経営上の問題点

製造業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 原材料価格の上昇 製品(加工)単価の低下・上昇難、需要の停滞 製品ニーズの変化 生産設備の不足・老朽化
  23.5 20.6 17.6 8.8 14.7 8.8 8.8
建設業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 民間需要の停滞 官公需要の停滞 新規参入業者の増加
ほか3項目
  29.2 20.0 20.8 16.0 12.0
小売業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 大型店・中型店の進出による競争の激化 購買力の他地域への流出 消費者ニーズの変化 需要の停滞 販売単価の低下・
上昇難
  26.9 30.8 15.4 19.2 11.5 15.4 9.6 11.5 9.6 7.7
サービス業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 利用者ニーズの変化 需要の停滞 新規参入業者の増加
ほか2項目
  20.7 25.0 24.1 21.9 9.4

(数値の左は前期割合、右は当期割合を%で記す)


〔少子化対応経営を実施しましょう〕
 団塊の世代が退職することで技術・ノウハウの継承が懸念されている2007年問題に象徴されるように、ともすれば高齢社会への対応ばかりが注目されていますが、高齢社会というのは人口に占める高齢者の割合が高いことですから、出生率が上がれば高齢社会ではなくなるわけです。むしろ少子化が問題だということになり、中小企業としても育児休業制度、労働時間の短縮、再就職の促進等働く女性が安心して子供を産み育てられる環境づくりに努めることが求められています。
 2006年(H18年)度においても中小企業には金融、人材育成、商店街・中心市街地活性化等に対してさまざまな支援策が予定されていますが、中小企業の少子化対策を促進するために、少子化対応経営を実施する中小企業に対しても支援が予定されています。