みえ商工会だより

曇り空から雨模様へ  景気上昇気流に乗れず、後退に転じる
−2005年7月〜9月期 中小企業景況調査報告書概要−
嘱託専門指導員 中川すみ子

 

 商工会地区の中小企業の今期(2005年7月〜9月)の業況は、前期(2005年4月〜6月)の 低下予測を反映した形となり、 全産業ともマイナス幅が拡大しています。 売上高が依然厳しい状況が続いているため、採算、資金繰りも厳しい状況ですが、中でも採算面の厳しさが目を引きます。
 設備投資も今期実行した企業割合は最も高いサービス業で12.1%、最も低かったのは小売業の3.9%と前期に引き続き低調でした。
 来期(2005年10月 〜12月)についても全般的には今期と同じ状況が続きそうな厳しい見方をする 企業が多くなっています。
 停滞する需要の掘り起こしを図るには、変化・多様化を極める製・商品ニーズや利用者ニーズへの 適合が求められますが、 そのためにはやはり経営のあり方も変化させる必要があると思います。
 自社の業績をアップさせ、自社の経営の向上を図りたいと思えば、まず、自社の現状や課題を見極めることが必要であり、 その上で「新たな取り組み」に賭けることが企業の将来に向かって求められることではないでしょうか。 チャレンジする価値は大いにあると思われます。


主要景況項目

  売上高 採算 資金繰り
  前 期 当 期 前期比 来期予測 前 期 当 期 前期比 来期予測 前 期 当 期 前期比 来期予測
製造業 △13.2 △10.5 +2.7 △21.6 △5.3 △31.6 △26.3 △13.9 △8.1 △16.2 △8.1 △11.1
建設業 △16.0 △4.0 +12.0 △20.0 △44.0 △20.0 +24.0 △28.0 △16.0 △12.5 +3.5 △12.0
小売業 △26.4 △26.9 △0.5 △32.7 △39.2 △42.4 △3.2 △44.0 △30.2 △25.5 +4.7 △23.5
サービス業 △12.5 △18.2 △5.7 △28.1 △16.1 △24.2 △8.1 △24.2 △6.4 △18.8 △12.4 △22.6

 

経営上の問題点

製造業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 需要の停滞 原材料価格の上昇 製品(加工)単価の低下・上昇難 製品ニーズの変化
生産設備の不足・老朽化
  14.7 26.5 11.8 23.5 17.6 14.7 8.8
建設業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 民間需要の停滞 官公需要の停滞 請負単価の低下・上昇難 新規参入業者の増加 取引条件の悪化
  24.0 29.2 20.0 20.8 24.0 16.7 8.0 12.5 8.0 8.3
小売業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 大型店・中型店の進出による競争の激化 購買力の他地域への流出 消費者ニーズの変化 販売単価の低下・上昇難ほか2項目
  33.3 26.9 13.7 15.4 9.8 11.5 9.6
サービス業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 需要の停滞 利用者ニーズの変化 新規参入業者の増加
利用金の低下・上昇難
材料等仕入単価の上昇
  20.0 24.1 23.3 20.7 13.8 3.3 6.9

(数値の左は前期割合、右は当期割合を%で記す)


〔人に優しい商品、サービスの開発を進め、新たなビジネスチャンスを生み出す〕
 現在は「企業の社会的責任」として、危機管理や法令遵守をきちんと果たす企業でなければ、 利潤追求の資格がないともいえるような時代です。 前回報告書で「高齢者・単身者・女性向けの新たなサービス、提供の方法等検討する」と書きましたが、 これらの人たちは、社会的に何らかの意味で弱い立場に立たされることが多い人たちです。 もっと企業として暖かい目を向け、その人たちのニーズに応えていくことが、停滞する需要を掘り起こし、 新たなビジネスチャンスを生み出すことにつながると思います。
 高齢者や身体に障害のある人にとっては、快適かつ安全に暮らせる住まいの工夫を提案した住宅の改装・ 改築を差別化の一環として訴求し、働く女性の家事・育児の支援でもっと出来ることがないか考えてみるのも 新たなビジネスチャンスの芽になるのではないでしょうか。
 地域と一体となって、企業ぐるみで人に優しい商品、サービスの開発を進めていくことが大切なことだと思われます。