みえ商工会だより

曇り空から、晴れ間覗かず この先雨足激しくなる可能性も…
−2005年1月〜3月期 中小企業景況調査報告書概要(三重県版)−
嘱託専門指導員 中川すみ子

 

 3月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を表す業況判断指数(DI)は2期連続の悪化となりました。 3月の月例経済報告でも、「一部に弱い動きが続いている」として、基調判断を3カ月連続で据え置いています。
 商工会地区の中小企業の今期(2005年1月〜3月)の業況も主要景況項目について、前期(2004年10月〜12月)と比較し、 全産業ともマイナス幅が広がり、一段と厳しい状況となっています。
 来期(2005年4月〜6月)は全般的にD・I値のマイナス幅は縮小しそうですが、予測マイナス値そのものが高いので、 実態としては、今期と余り変わらないものと思われます。


主要景況項目

  売上高 採算 資金繰り
  前 期 当 期 前期比 来期予測 前 期 当 期 前期比 来期予測 前 期 当 期 前期比 来期予測
製造業 △25.0 △7.5 +17.5 △21.1 △27.5 △23.1 +4.4 △16.2 △28.2 △5.3 +22.9 △21.1
建設業 △33.3 △48.0 △14.7 △36.0 △40.0 △52.0 △12.0 △36.0 △16.7 △24.0 △7.3 △20.0
小売業 △49.0 △52.9 △3.9 △45.1 △56.0 △50.0 +6.0 △42.6 △41.1 △31.3 +9.8 △29.4
サービス業 △27.2 △52.9 △25.7 △41.2 △38.3 △47.1 △8.8 △33.4 △28.2 △24.2 +4.0 △21.2

 

経営上の問題点

製造業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 製品(加工)単価の低下・上昇難、需要の停滞 製品ニーズの変化 原材料価格の上昇 大企業の進出による競争の激化、生産設備の不足・老朽化
  18.9 5.4 13.5 5.4 10.8 8.1
建設業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 民間需要の停滞 官公需要の停滞 請負単価の低下・上昇難 大企業の進出による競争の激化 新規参入業者の増加
他4項目
  20.0 28.0 16.0 24.0 16.0 20.0 16.0 8.0 4.0
小売業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 大型店・中型店の進出による競争の激化 購買力の他地域への流出 販売単価の低下・上昇難、需要の停滞 消費者ニーズの変化
仕入単価の上昇
  29.4 33.3 21.6 21.6 9.8 3.9
サービス業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 需要の停滞 店舗施設の狭隘・老朽化、その他 新規参入業者の増加 利用者ニーズの変化 材料等仕入単価の上昇
事業資金の借入難
  12.9 22.6 12.9 16.1 9.7 12.9 16.1 9.7 6.5

(数値の左は前期割合、右は当期割合を%で記す)

 

〔中小企業の経営戦略について〕

 中小企業白書では、「中小企業は、IT等を活用しつつ、距離・業種を超えて、 ものづくりからサービス・小売までを含めた幅広い連携やマーケティングと一体化した製品開発等を行うことにより、 多様性が育む中小企業の潜在的創造力を顕現化させれば、更なる発展が可能。」とあります。

1. 他企業や研究機関との連携を強化する
 潜在的創造力を顕現化させるためにも、同業種や異業種との連携を強化し、あるいは研究機関等と連携して、 一企業だけでは対応が出来ない、あるいは効率的でない事業に取り組み、その成果を挙げていってもらいたいものです。

2.マーケティングの切り口をどうとらえるか
 変化、多様化を極める顧客のニーズに対応するために、マーケティングの切り口をどうとらえて、いかに対応していき、 どの分野で強みを発揮していくかだと考えます。
(1) 高齢者−現役を続ける高齢者にどのような商品を提案していくか
 高齢者と一口に言っても、人それぞれの面があります。 とりわけ、団塊の世代が65歳になったとき以降はそうした面が強くなると思われます。 したがって、従来の既成概念から外れた新しい分野への取組みを強化し、どのような商品を提案していったらいいか、 検討すべき余地が大きいのではないかと思います。
(2) 女性の社会進出
 働く女性にとって、家事や育児負担の軽減が求められている事から、 そのニーズに合った商品やサービスの提供が求められています。
 手作りに対する考え方が様変わりし、家庭外で調理された食品を家庭内でとる食事形態である 「中食(なかしょく)」が有望ビジネスになってきているのもその一つです。
(3) IT社会への対応
 より高付加価値の製品、サービスの開発・提供に努めていくには、今やインターネットを通じてでなければ 望めない時代に入っているといっても過言ではなさそうです。