みえ商工会だより  

日差しいまだ差さず、曇り空続く
−2004年10月〜12月期 中小企業景況調査報告書概要−
嘱託専門指導員 中川すみ子

 

 日本銀行が発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)によると、在庫調整やアテネ五輪後の需要減少などを背景に電気機械が悪化、 造船・重機も悪化するなど大企業製造業の景況感を表す業況判断指数(DI)は7期ぶりに悪化しました。 大企業非製造業の業況判断指数は前回と同じでした。中小企業は製造業が前回と同じで、非製造業は3ポイント上昇し、 7四半期連続の改善です。
 商工会地区の中小企業の今期(2004年10月〜12月)の業況は主要景況項目について前年同期比で見ると、 前期(2004年7月〜9月)と比較し、製造業はマイナス幅が広がりましたが、他の産業はいずれも縮小しました。 改善への一歩ともいえますが、来期(2005年1月〜3月)予測値は厳しく、当分は一進一退の状況が続くものと予想されます。


主要景況項目

* 売上高 採算 資金繰り
* 前 期 当 期 前期比 来期予測 前 期 当 期 前期比 来期予測 前 期 当 期 前期比 来期予測
製造業 △12.9 △25.0 +14.7 △13.1 △12.5 △27.5 +0.5 △15.7 △20.5 △28.2 +5.3 △18.9
建設業 △40.0 △33.3 +38.5 △36.4 △40.0 △40.0 +7.1 △33.3 △37.5 △16.7 △1.4 △38.1
小売業 △43.1 △49.0 +9.9 △30.0 △49.0 △56.0 △13.2 △46.9 △30.0 △41.1 △6.4 △18.0
サービス業 △33.3 △27.2 △9.2 △35.3 △31.3 △38.3 0.0 △14.7 △30.3 △28.2 +1.3 △14.7

 

経営上の問題点

製造業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 製品(加工)単価の低下・上昇難 需要の停滞 大企業の進出による競争の激化 生産設備の不足・
老朽化
原材料価格の上昇
他4項目
  21.0 27.0 27.0 16.2 10.8 10.8 8.1 8.1 5.4
建設業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 民間需要の停滞 大企業の進出による競争の激化
他2項目
新規参入業者の増加
取引条件の悪化
* 20.8 20.0 16.0 8.0
小売業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 大型店・中型店の進出による競争の激化 購買力の他地域への流出 仕入単価の上昇 販売単価の低下・
上昇難、需要の停滞
* 37.3 29.4 11.8 21.6 5.9 11.8 7.8
サービス業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 利用者ニーズの変化
その他
店舗施設の狭隘・老朽化、需要の停滞 新規参入業者の増加
利用料金の低下・上昇難
  16.1 12.9 9.7

(数値の左は前期割合、右は当期割合を%で記す)

 

〔中小企業の経営戦略について〕

1. 提供する消費材の高付加価値化を図る
 小売業やサービス業は、提供する商品及び包装紙・包装方法など商品に付加するものについても、センスの良さ、 感性が感じられるように付加価値を高めていくことが求められます。また、商品やサービスが同じであっても、接客の仕方、 アフターサービス等で競合する他企業との差別化を図ることも可能です。
 製造業、建設業でも企業独自の高付加価値の製品、建築物の提案をしていくために、技術力の強化、設備投資、 人材の育成・能力開発等が必要になります。

 

2.顧客への双方向コミュニケーションの場を設ける
(1) ITを手段として、顧客とのコミュニケーションを密にする
積極的にITを活用して、顧客へ情報提供し、コミュニケーションを図っている企業も多くみられます。 ネットショッピングが当り前になっている今日、オリジナル商品、季節商品、あるいは快適な暮らしを楽しむための商品、 その他企業独自のアフターサービスなど自社のホームページで紹介、提案するといった取り組みが必要でしょう。 建設業などでは、建設途中の新居の工事の進行状況を自宅にいながらにして確認できるとか、顧客自宅のデジカメ写真にCG加工し、 外装シュミレーションや内装の提案を行うなどしている企業もあります。
(2) 従業員の顧客への提案能力を高める
顧客が満足できる提案をしていくには、自企業の扱い商品に関する知識やセンスを高めるだけでなく、
関連する分野の商品に関する知識も持ち合わせる必要があります。また、有する専門知識をいかにわかりやすく、 丁寧に顧客に伝えられるかが重要です。