みえ商工会だより  

景気、回復への動き鈍く
−平成16年7月〜9月期 中小企業景況調査報告書概要−
嘱託専門指導員 中川すみ子

 

 商工会地区の中小企業の今期(16年7月〜9月)の業況は、主要景況項目について前年同期比で見ると、全般的に好転したとは言えず、売上高においては建設業の減少が特に目立っています。また、資金繰りも厳しい状況で、景況感の改善は地方にまで波及していないことがうかがえます。
 このような状況下でも意欲のある中小企業は、地域に根ざした独自の活動を通じて、経営の改革・改善及び地域経済活性化に向けて頑張っています。
 中小企業庁は技術・ノウハウの緊密な「すりあわせ」を通じて、柔軟に「強み」を相互補完しながら高付加価値の製品・サービスを創出する新たな連携(新連携)の推進をするとあります。自企業の「強み」は何か、改めて見直してみる必要がありそうです。


主要景況項目

* 売上高 採算 資金繰り
* 前 期 当 期 前期比 来期予測 前 期 当 期 前期比 来期予測 前 期 当 期 前期比 来期予測
製造業 △21.9 △12.9 +9.0 △7.9 △17.0 △12.5 +4.5 △7.7 △12.2 △20.5 △8.3 △18.0
建設業 △13.7 △40.0 △26.3 △50.0 △36.4 △40.0 △3.6 △37.5 △31.9 △37.5 △5.6 △41.6
小売業 △36.0 △43.1 △7.1 △47.0 △54.9 △49.0 +5.9 △50.0 △31.4 △30.0 +1.4 △36.8
サービス業 △38.2 △33.3 +4.9 △24.3 △23.6 △31.3 △7.7 △9.1 △17.6 △30.3 △12.7 △9.1

 

経営上の問題点

製造業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 需要の停滞 製品(加工)単価の低下・上昇難 大企業の進出による競争の激化
原材料価格の上昇
製品ニーズの変化、
生産設備の不足・老朽化
  18.4 27.0 21.1 21.6 10.8 8.1
建設業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 請負単価の低下・
上昇難
民間需要の停滞 新規参入業者の増加 官公需要の停滞 大企業の進出による競争の激化
他5項目
  26.1 25.0 13.0 20.8 8.7 16.7 13.0 12.5 4.2
小売業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 大型店・中型店の進出による競争の激化 購買力の他地域への流出 需要の停滞 消費者ニーズの変化 販売単価の低下・上昇難
仕入単価の上昇
  26.0 37.3 26.0 11.8 12.0 9.8 10.0 7.8 5.9
サービス業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 需要の停滞
利用者ニーズの変化
新規参入業者の増加 店舗施設の狭隘・老朽化 人件費以外の経費の増加
他2項目
  17.9 10.7 14.3 17.9 10.7 7.1

(数値の左は前期割合、右は当期割合を%で記す)

 

1. 中小企業の会計について
 中小企業の経営者は概して会計・経理に弱い人が多いようですが、中小企業庁では「中小企業の会計」について、「中小企業の会計38問38答」を作成、公表し、決算書の作り方や経営への役立て方を分かりやすく解説しています。「経営力の強化」「資金調達を容易にするため」「受注の拡大、取引先からの信用」を実現するための武器となるとありますが、一度どういうものか、中小企業庁のホームページを開いてみてはどうでしょうか。また、各地で中小企業会計啓発・普及セミナーも行われるので、参加されることをお勧めします。

 

2.中小企業の人材育成・能力開発について
 変革の時代にあっては,柔軟な発想と行動力のある人材を育成していくことが不可欠です。そのためには今までの従業員教育と視点を変えた教育が必要になってきます。中小企業庁では新しい価値を創造していくための経営・マーケティング戦略等を構築できる優れた人材を養成するために、創業塾・第二創業塾の開催、経営戦略等を助言する人材(企業等のOB)の掘り起こし等を行い、新事業展開を図ろうとする中小企業とのマッチングを支援しています。また、産業支援センターや商工会等では外部専門家の派遣申請も出来ます。こうした支援策を上手に活用し、他の中小企業とも連携を図りながら、人材の質の向上を図っていってください。