みえ商工会だより  

景気回復の兆し見せる
−平成16年4月〜6月期  中小企業景況調査報告書概要−
嘱託専門指導員 中川すみ子

 

 日本銀行の短期経済観測調査(短観、6月調査)や、7月の月例経済報告では大企業中心だった景況感の改善が中小企業にも及び、個人消費にも明るさが広がってきたとあります。こうした状況を受けて、商工会地区の中小企業の今期(2004年4月〜6月)の業況も回復の兆しを見せ、主要景況項目について前年同期比で見ると、製造業を始め全般的にマイナス幅が縮小していますが、プラスに転じるまでには至っていません。
 設備投資についても依然低水準で、来期投資計画を持つ企業も、最も高い製造業でも12.2%であり、非常に少なくなっています。
 来期(2004年7月〜9月)についても、製造業は引き続きマイナス幅が大幅に縮小しそうですが、建設業、小売業は前期以上のマイナス値となりそうであり、後退が予測され、先行きが懸念される状況です。


主要景況項目

* 売上高 採算 資金繰り
* 前 期 当 期 前期比 来期予測 前 期 当 期 前期比 来期予測 前 期 当 期 前期比 来期予測
製造業 △36.6 △21.9 +14.7 △13.1 △17.5 △17.0 +0.5 △15.7 △17.5 △12.2 +5.3 △18.9
建設業 △52.2 △13.7 +38.5 △36.4 △43.5 △36.4 +7.1 △33.3 △30.5 △31.9 △1.4 △38.1
小売業 △45.9 △36.0 +9.9 △30.0 △41.7 △54.9 △13.2 △46.9 △25.0 △31.4 △6.4 △18.0
サービス業 △29.0 △38.2 △9.2 △35.3 △23.6 △23.6 0.0 △14.7 △18.9 △17.6 +1.3 △14.7

 

経営上の問題点

製造業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 製品(加工)単価の低下・上昇難 需要の停滞 取引条件の悪化 製品ニーズの
変化、生産設備の不足・老朽化
  18.9 21.1 35.1 18.4 8.1 13.2 10.5
建設業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 請負単価の低下・
上昇難
材料価格の上昇
官公需要の停滞
民間需要の停滞
新規参入業者の増加
  31.8 26.1 13.0 9.1 8.7
小売業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 大型店・中型店の進出による競争の激化
購買力の他地域への流出
需要の停滞 消費者ニーズの変化 仕入単価の上昇
  26.0 0.0 12.0 4.5 10.0 0.0 8.0
サービス業 1位 2位 3位 4位 5位
1位にあげる問題点 店舗施設の狭隘・老朽化 利用料金の低下・上昇難 新規参入業者の
増加、利用者
ニーズの変化、
材料等仕入単価の上昇
  6.5 17.9 6.5 14.3 10.7

(数値の左は前期割合、右は当期割合を%で記す)

 

〔マニュアル超えた「個客」に見合ったサービスを〕
 「勝ち組に学べ」ということで、経済産業省が日本のサービス産業の底上げに向けて、日本で新たに生み出されたサービス業のビジネスモデルを発掘する狙いで、「経営指南書」を作成するそうです。
 マニュアルは確かにある一定のサービス水準を保つのには効果的ですが、行き過ぎるとその場その場に見合った対応が出来ません。マニュアルで想定されていない事柄が出てくるとたちまち行き詰ってしまうというわけです。しかし、中小企業は、その多様性を生かして、ニューサービス・新しい就労形態(SOHO)・公益サービスの新しい供給スタイル(地域貢献型事業)等新たなビジネスの発掘・拡大に貢献しています。
 サービスにあってもビジネスの多様化に即応して多様化していくべきものであり、マニュアルを超えた「個客」に見合ったサービスが必要だということになります。誰に対しても同じようなマニュアル通りのサービスを行っていては、サービスの高付加価値化は図れず、経営の差別化は出来ないと考えるべきでしょう。