みえ商工会だより

景気停滞続く―梅雨明け宣言いまだできず−

−平成15年4月〜6月期  中小企業景況調査報告書概要−

嘱託専門指導員 中川すみ子

 

日銀が発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業で前回3月の調査に比べ5ポイント上昇したとあります。株価上昇や米経済の回復期待の高まりが景況感の改善に寄与したものです。
 また、8月5日に提出された、8月の月例経済報告では「このところ一部に弱い動きがみられる」との表現を削除し、「わが国の景気を巡る環境に変化の兆しがみられる」との表現を加え、基調判断を引き上げています。
 総務省が5日発表した6月の家計調査でも6月の全世帯消費支出、実質1.6%増と、経済指標にも変化の兆しが出ているようです。ただ、慎重な見方は崩していず、先行きの不透明感は依然根強く残っています。
 商工会地区の中小企業においては、変化の兆しとまではいかず、下記主要景況項目に見るように、今期(15年4月〜6月)の業況は前年同期比で、売上高は伸び悩み、採算面ではサービス業以外はマイナス幅が縮小しているものの、資金繰りも全般的に厳しく、景気は梅雨明けしないままに秋を迎えそうです。
 設備投資の低迷も依然続き、実行率の最も高かった建設業でも13.0%と低い水準であり、投資項目が限られる傾向も続いています。来期もこの傾向は続きそうです。
 来期(15年7月〜9月)も予測値は依然高いマイナス値が続き、すっきりとした秋晴れは望めそうもないようです。

 

主要景況項目

*

売上高

採算

資金繰り

* 前 期 当 期 前期比 来期予測 前 期 当 期 前期比 来期予測 前 期 当 期 前期比 来期予測

製造業

△22.5 △25.0 △2.5 △42.5 △35.0 △20.0 15.0 △30.0 △25.0 △15.0 10.0 △25.6

建設業

△34.8 △47.9 △13.1 △56.5 △56.6 △31.8  24.8 △40.9 △30.4 △34.8 △4.4 △34.8

小売業

△66.1 △55.1 1.7 △51.0 △54.2 △49.0 5.2 △51.0 △45.8 △36.8 9.0 △32.7

サービス業

△35.7 △27.7 8.0 △30.6 △21.4 △36.1  △14.7 △30.6 △22.2 △16.7 5.5 △16.7

 

経営上の問題点

製造業

1位

2位 3位 4位 5位

1位にあげる問題点

需要の停滞

製品(加工)単価の低下・上昇難

取引条件の悪化 大企業の進出に
よる競争の激化
新規参入業者の増加
ニーズの変化
  51.5 44.4 27.3 27.8 3.0 8.3 3.0 5.6 2.8

建設業

1位

2位 3位 4位 5位

1位にあげる問題点

官公需要の停滞

請負単価の低下・上昇難 民間需要の停滞 大企業の進出に
よる競争の激化
新規参入業者の増加

 

30.4 30.4 30.4 26.1 36.1 17.4 8.7

小売業

1位

2位 3位 4位 5位

1位にあげる問題点

購買力の他地域への流出

大型店・中型店の
進出による競争の激化

需要の停滞 同業者の進出 販売単価の低下・
上昇難

 

9.1 22.7 30.9 20.5 23.6 13.6 10.9 11.4 14.5 9.1

サービス業

1位

2位 3位 4位 5位

1位にあげる問題点

需要の停滞

大企業の進出による競争の激化、
新規参入業者の増加
ほか2項目

 

30.4 30.8 11.5


(数値の左は前期割合、右は当期割合を%で示す)

 

 中心市街地の空洞化が進み、商業の衰退が、地域経済の活力を奪い、商業だけでなく、地域全体の衰退につながっています。商店街が一致協力して流動する消費者ニーズへの対応を図ることはもちろん大切ですが、構成する個店に魅力があってこそ商店街がよみがえるというものです。介護商品など高齢者向けの商品、働く女性を支援するための惣菜の充実等ニーズに適合した商品の充実を図る一方、商品の入れ替え頻度をあげたり、時宜に合わせた流行商品・新しい商品の取り入れなど、それぞれの個店の魅力を高めることで、商店街全体で常に消費者に新鮮感を与え、買い物することが楽しくなるような雰囲気つくりに努めることが大切ではないかと思います。