みえ商工会だより

景気停滞感鮮明に

−平成15年1月〜3月期 中小企業景況調査報告書概要−

嘱託専門指導員 中川すみ子

 

日銀が発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は生産や輸出が伸び悩んでいることから、5期ぶりに悪化し、景気停滞感が鮮明になったとあります。
  また、景気との連動性が高いとされる中小企業製造業の設備投資は3年連続のマイナスになる予想であり、景気の先行きに対する警戒感は依然として強いとあります。 
  商工会地区の中小企業においても、そうした状況を裏付ける結果となり、前年同期比に見る今期(15年1月〜3月)の業況は、全般的にマイナス幅が広がり、景気停滞感が鮮明になりました。
  設備投資においても今期投資実績が、計画値を上回った産業はなく、実行率の最も高かった製造業でも10%にも満たず、小売業の今期投資実績は前期に引き続きゼロでした。
  来期(15年4月〜6月)は今期よりは好転が予測されていますが、予測値は依然高いマイナス値であり、厳しい状況はなお続きそうです。

主要景況項目

*

売上高

採算

資金繰り

* 前 期 当 期 前期比 来期予測 前 期 当 期 前期比 来期予測 前 期 当 期 前期比 来期予測

製造業

△32.5 △22.5 10.0 △40.0 △27.5 △35.0 △7.5 △37.5 △20.0 △25.0 △5.0 △27.5

建設業

△47.9 △34.8 13.1 △56.6 △56.6 △56.6  0.0 △47.9 △34.8 △30.4 4.4 △34.8

小売業

△64.4 △66.1 △1.7 △42.4 △55.9 △54.2 1.7 △42.4 △40.7 △45.8 △5.1 △39.0

サービス業

△3.7 △35.7 △32.0 △32.2 △22.2 △21.4  0.8 △32.1 △15.4 △22.2 △6.8 △33.3

 

.経営上の問題点(数値の左は前期割合、右は当期割合を%で記す)

製造業

1位

2位 3位 4位 5位

1位にあげる問題点

需要の停滞

製品(加工)単価の低下・上昇難

大企業の進出に
よる競争の激化
ほか3項目
45.7 51.5 22.9 27.3 2.9 6.1 3.0

建設業

1位

2位 3位 4位 5位

1位にあげる問題点

請負単価の低下・上昇難
官公需要の停滞

民間需要の停滞 大企業の進出に
よる競争の激化
ほか2項目

*

30.4 30.4 21.7 26.1 4.3 4.3

小売業

1位

2位 3位 4位 5位

1位にあげる問題点

大型店・中型店の
進出による競争の激化

需要の停滞

販売単価の低下・
上昇難
同業者の進出 購買力の他地域への流出

*

30.4 30.9 16.1 23.6 7.1 14.5 23.2 10.9 14.3 9.1

サービス業

1位

2位 3位 4位 5位

1位にあげる問題点

需要の停滞

利用者ニーズの
変化
店舗施設の狭隘・老朽化 利用料金の低下・
上昇難
新規参入業者の増加

*

34.6 30.4 30.8 26.1 11.5 17.4 0.0 13.0 7.7 8.7

 

〔自立再生を図るための積極的な取り組みを進める〕
  2003年版の中小企業白書では、中小企業は多様な存在であり、ダイナミックに変化する存在であることから、厳しい状況に置かれていても、急速に業績を回復することが可能であるとしています。しかし、経営資源に乏しい中小企業が「再生」を図っていくには産学連携により、新知識の習得や新技術の開発を図ったり、異業種交流などの事業連携を通して知識・技術の共有化・融合化を推進することによって、付加価値の高い新製品の開発、新市場の開拓を積極的に図っていくことが求められます。個々の中小企業それぞれの特色に相乗効果が付き、より「再生」の可能性が大きくなると思われます。
  自立再生を支援する新たな支援策としては、事業分野を創造する中小企業を支援するため、起業挑戦支援融資制度が創設されました。金融では国民生活金融公庫が「改革加速のための総合対応策(総合デフレ対策)」を受けて、第三者保証人を不要とする融資を取り扱っています。その他経済再生改革対応緊急貸付制度や企業再建貸付制度など中小企業金融セーフティネット対策が種々講じられていますので、詳しくは中小公庫、商工中金、国民生活金融公庫等関係機関にお問い合わせください。